
information
- 所在地
- 大阪市天王寺区
- 用途
- 飲食店
- 構造
- RC造1階部分
- 床面積
- 185.92㎡
- 施工
- 山山
- 完成年
- 2025.3.1.
- 写真
- 長谷川 健太
background
天王寺公園内に位置する大阪市立美術館は、1936年に開館して以来多くの人々に親しまれてきた歴史ある施設である。
その美術館が約2年半にわたる大規模改修を行うこととなり、その一環として、かつては講堂として使用されていた空間を新たにミュージアムカフェとして活用することになった。
建物は和洋折衷の様式を取り入れつつも、装飾的な日本趣味にとどまらず、美術品を守る収蔵庫としての機能から「土蔵」をモチーフとした簡素で実用的な設計がされていた。
和の要素をさりげなく残しながらも、合理性と静けさを大切にした建築であった。
そうした建築の精神を引き継ぎ、誰もが気軽に立ち寄れる場所として来館者に限らず、公園の利用者や地域の人々など、美術館に用がなくとも訪れやすい開かれた場を目指した。
design
既存の空間は五面の壁に囲まれたシンメトリーな構成で、各壁には三連窓が設けられている。
その窓越しには慶沢園の豊かな緑が望め、自然光がやわらかく差し込む。
今回の大規模改修で天井を解体した際、三連窓の上部に元々ハイサイドライト(高窓)が設けられていたことがわかった。
原設計の光の取り込みに対するこだわりが表れていると感じた。
天井高約5.7mというダイナミックなスケールに、窓からの光とその先に広がる緑が調和し、この空間はすでに十分な美しさを備えていた。
そのため「加える」のではなく、「整える」ことを意識して設計を行うことにした。
ハイサイドライトを活かすため天井はスケルトンとしたが、どうしても設備機器などは露出になる。
ただし、それが唐突にならないよう、空間内の他の箇所でも露出したディテールを意図的に見せることで、全体に統一感を持たせている。その表現として鉄管を加工した照明や、アクリルに取り付けられ配線が露出したスピーカーなどを設けた。
また既存の外壁に使われているリシン塗装を店内の壁や家具などにも使用している。
建築との調和という側面と、フラットではなく小さな凹凸を持たせることで僅かな陰影による質感の違いを際立たせたいと考えた。
空間中央には分解可能な大きなテーブル席を設け、ライブなどのイベントにも対応した柔軟性にも配慮した。
また、様々な利用者を受け入れられるよう、客席のあり方も場所によって特徴を変化させている。
この場所が、美術鑑賞の合間に心をほどく余白のような場となればと思う。
























