information
- 所在地
- 東京都墨田区
- 用途
- 食料品店・カフェ
- 構造
- RC造3階建て1階部分
- 床面積
- 68.04㎡
- 施工
- todo
- 照明
- ARUSE
- サイン
- BAUM
- 完成年
- 2021.07.27.
- 写真
- 長谷川健太
background
この建物は大通りの裏手側、そこで働く人や住む人が日常を過ごすための何気ない道沿いにある。
ニッチな場所であるが厳選された商品を目当てにする人々も訪れる、そうした店作りを目指しこの場所が選ばれた。
Marked(マークト)という店名はデンマーク語でマーケット、英語で目印を意味している。
以前はおもちゃの卸売り、チョコレート製造所として歴史を重ねたこの建物を「よろず屋」のような小さなマーケットに改装する。
design
様々な食料品、アイスクリーム、パンを焼くベーカリー、カフェ、立飲みスペースといった多くの要素を詰め込んだ空間である。
まず商品が主役となるため間口を大きく開き、店内に並んだ商品の列が視界に飛び込むよう大きな壁面棚を設けた。
既存の建物の要素には大きく手を加えず、その上に重ねるようにして木目の少ないシナ合板で棚やカウンターを構成した。
そして視線を誘導するようにペンダントランプ、クリップライトを配置した。
手の届かない場所にも商品を配置し、その場合はスタッフに声を掛けるようにする。
敢えてそうしたコミュニケーションの機会を作ることで大型スーパーマーケットと異なる体験を意図した。
店舗の方針は、ただ商品を売るだけでなく商品を本質からつかみ伝えること。
そのため照明に関してもARUSE氏の協力の下この空間のコンテクストを読み取りながら選定され器具の持つストーリーをスタッフ間で共有した。
テーブルやベンチには別件で余った材料、椅子は施主が別店舗で使っていたもの、外部ベンチには再生木材を使用した。
資源を循環させることもこの店のテーマである。
何気ない道沿いにあり誰しもが気軽に訪れ買い物を楽しむ、町の目印のようなマーケットを計画した。