information
- 所在地
- 東京都世田谷区三軒茶屋
- 用途
- ジュエリー工房
- 構造
- RC造4階部分
- 床面積
- 60.77㎡
- 施工
- todo
- 完成年
- 2019.04.20.
- 写真
- 長谷川健太(2,CHAB DESIGN)
background
1970年創業のジュエリーメーカーが営む工房とサロンスペースの改装計画。
意外にもその場所は築50年になるマンションの1室で、2LDKの一般的な間取りをしていた。
この一角には職人と一緒に来店客がジュエリー制作を体験できるスペースを設けていたが試行の中で形作られたため要素が複雑になっていた。
そこでこのタイミングで要素を整理し一貫した思想の空間表現が求められた。
等身大の魅力を伝えたいという社長の言葉がこのプロジェクトの始まりである。
design
まず間仕切りを撤去することでこれまで別々だった窓が繋がりを持ち、ワンルームとなった部屋に自然光を導いた。
その空間の中心に職人の作業する姿や使い込んだ道具がどこからでも見えるオープンな作業台を配置した。
第一に寡黙で誇りを持った職人が作業しやすいこと。道具を美しく見せつつ機能的なレイアウトをヒアリングを通して模索した。
それを囲うように来店客が使用するテーブルやシンクを設け空間全体を使った体験ができるようにした。
装飾的な要素を剥がし粗野なコンクリートの表情が表れる一方で柔らかさを与える硬質フェルトを組み合わせた什器を製作した。
フェルトは貴金属を傷つけないこと、更に製作の磨きの工程では研磨の道具としても使われるためジュエリーとの相性が良い材質である。
また既存アルミサッシの開口部にはメッシュ生地のカーテンを掛け光を拡散させつつマンション的なスケール感の要素をぼかした。
マンションのドア一枚の先に広がるこの空間には、空間の操作など気にも留めずただ黙々と手を動かし続ける職人がいる。